配信サイトにて最初期サザエさんが配信開始!暴力性とブラックジョークを味わおう!

 どうも、冬コミの原稿が終わるまで活動を控え、終わったら終ったで今までの疲れからかリアルでゲロってしまったバーチャルブロガーのリベレイト羊華です!

 ブログ復活+年末ということで、前の記事に対するアンサー記事を作ろうとしたのですが、先日配信された作品のせいで別の記事を作ろうと決めました。

 そう、Amazon Prime Video、およびFODにてあのサザエさんが配信開始されたのです!

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 今回の配信では、長年放送してきた本作の最初期、1969年10月5日放送分~1970年10月4日放送分、系50話が配信されております。本記事は数話ほど見て思った感想を簡潔にまとめたものとなります。

www.amazon.co.jp

配信の背景

eiken-anime.jp 本配信について初めて情報が公開されたのは2018年12月25日、サザエさんを制作しているアニメ会社エイケン」のブログにて発表されました。サザエさんが来年で50周年記念という名目で先述したAmazon Prime VideoとFODにて12月26日より配信を開始すると発表しました。

<渡辺恒也プロデューサー(フジテレビ)コメント>
「放送50周年の節目を前に、今まで35mmネガフィルムの状態で倉庫に眠っていた初期の『サザエさん』をデジタル化し、
後世に映像遺産として残すことができることを大変嬉しく思います。
また、貴重な初期作品を再び皆様にご覧いただくことが、
アニメ『サザエさん』の歴史を振り返る大きな機会になると期待しています!
初期作品は、現在放送中の『サザエさん』とは作風や表現も異なっていて、
見比べてみてもそれぞれに新しい魅力を発見してもらえると思います。
アニメ『サザエさん』は50周年を迎えるとともに、ますます“挑戦”を続けていきたいと思いますので、
これからも応援をよろしくお願いします!」

 サザエさんの第一回放送の1話自体は、数年に一度サザエさんの特番等で「75点の天才!」のみが現在の放送コード遵守した状態で放送されることがよくありましたが、今回は配信とはいえ貴重な50話が、それもデジタルリマスターされたものが見れるとあって、一部のサザエさんファンはもちろん、現在も実況しているオタクや一般のオタクが驚いた出来事となります。

 サザエさんのアニメは諸説ありますが、TVアニメの版権を持っている長谷川町子美術館がDVD等と言ったメディア化に対して認めていないなどと言った話をよく聞くため、こういった配信はまさに驚愕の一言につきます。

 これは私の勝手な想像なのですが、サザエさん同様にエイケン制作で今までソフト化がされなかったアニメ作品UFO戦士ダイアポロンが2016年に放送40周年記念ということでソフト化が発表された経緯を考えると、エイケン側の上層部があまり映像ソフトの販売に乗り気では無かったのが、体制が代わり積極的になったのではないか?と思います。(ちなみに実際に映像ソフトが販売されたのは2017年、同時期に同年代のロボットアニメがコラボレーションした企画、ミラクロボットフォースがあります)

eiken-anime.jp

miraclerobot-force.com

最初期サザエさんを見て・・・

 ここまで読んでいただいた方にはなんとなくわかると思うのですが、私自身、サザエさんという作品が好きで、数年前三越で行われたサザエさん展にも出向いた程にはライト層なサザエさんオタクです。この配信開始の報を聞いて、ベッドから転げ落ち、思わず「は?!?!?!?」と言う声が出てしまいました。そしてもちろん配信開始と同時に見ました。見たんです。

 そこには現在の放送コードでは描けないとんでもない映像が広がってました。

 例えば第1回放送の1話、「75点の天才!」(有名な話ですが、この回の脚本家である辻真先先生は、後に「コンクリート・レボルティオ」という作品のサザエさんパロディである9話「果てしなき家族の果て」にて脚本を努めております。)

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 開幕からテストの答案を持って喜んでいるカツオ、その最中犬に追いかけられたり自転車にぶつかったりと散々な目にあいボロボロになりながらも上機嫌。理由は「テストで75点を取ったから」といったものなのですが、理由を知らないサザエがその様子を見て泣きながらこう言います。

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「だってアンタ、自動車にぶつかって気が触れたんだろう?!」

 開幕早々気が触れたなんてセリフが出てくるアニメですよ。サザエさんって。(戦慄)しかもその後に皆が気が触れただのキチガイだの言います。この頃だとセーフだったんでしょうけど今の放送コードなら間違いなくNGでしょう。

 また、3話の「お医者さんの巻」はもっと恐ろしい内容でした。

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 内容としては、ワカメが朝「お腹が痛い」と泣いてごねるところから始まり、そこからどうやって病院に行かせるかと言ったギャグや医者に関するギャグが展開される回ですが、その流れで以下のネタが入ります。

 サザエ、波平がなんだかんだで病院に連れていけなかったところにマスオが「じゃあ僕が連れて行く」とワカメを新しくできた病院に連れて行きます。そしてそこには。

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 怪しい男がおもちゃの銃を構えて笑っています。それに驚くワカメとマスオ、そこに女性が現れ言ったセリフが

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「ハイル・ヒトラー!」「ハイル・ヒトラー!」

 そして女性が銃を受け取り男を部屋へ戻るようにと誘導します。

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「すいませんこの人患者なんです」

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 2人は間違って精神病院へと行ってしまったというオチでした。この時代の精神病院の扱い(キチガイしか居ない)と言ったギャグや、病院の名前の「阿保(アホ)精神病院」と、到底現代では放送できないギャグが展開されます。そりゃこんなのTV放送や円盤なんか出せるかよ!

 サザエさんの最初期は、トムとジェリーを意識したドタバタコメディーを目指していたという有名な話がある通り、本作のドタバタ感はまさに見てて笑える物となっています。ただそれと同時に今のサザエさんからは想像できない映像や絵があり、見ていて衝撃を受けること間違いなしです。

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 また、現在もサザエさんの脚本を書かれている「城山昇先生」「雪室俊一先生」の最初期エピソードを見れるというだけでも大変貴重な映像資料であり、今の作風と昔の作風を見比べると面白い発見があります。

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あとがき

 いかがでしたでしょうか。本配信はとても貴重なことであるにもかかわらず、比較的見やすい環境であるAmazon Prime Videoでの配信であることから、皆さんに見てほしい気持ちで勢いで筆を走らせました。

 この記事の影響で一人でもサザエさんというコンテンツに触れてくれることを願っております。そしてこの配信が人気を呼び、続きの話数の配信が決定してくれれば最高です。

 次回は本来書くべきであった前回の記事である「今季オススメアニメ」の感想を書きたいと思います。